2008 年 40 巻 3 号 p. 255-256
我々は, 重症心身障害者に対して食物繊維含有経腸栄養剤 (以下A剤) を, 投与前後において24時間下部食道pHモニタリングを施行し, 胃食道逆流の状態変化を調べ, 臨床経過と合わせ, A剤の効果と問題点を検討した.24時間pHモニターでは, A剤使用前: 全逆流回数180回, pH4未満の逆流時間比率31.3%, A剤使用後: 全逆流回数105回, pH4未満の逆流時間比率7.4%と改善を認めた.
酸素投与については, 投与前4カ月は計31回, 投与後4カ月は計4回であった.また, 38度以上の発熱を呈した日数については, 投与前4カ月は計15日, 投与後4カ月は計6日であった.A剤は, 胃食道逆流症を軽減し, 生活の質を改善させた.