脳と発達
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Edaravone小児使用例に関する全国調査
山本 仁林 雅晴
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2008 年 40 巻 4 号 p. 333-334

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抄録

日本小児神経学会薬事委員会および酸化ストレスと小児神経疾患研究会が協同し, 脳保護剤であるedaravoncの小児使用例に関する全国調査を行った. Edaravoneの臨床使用が開始 (2001年) されてからの小児使用例についてのアンケート調査票を, 2007年春, 日本小児神経学会評議員210名, 日本小児神経外科学会世話人および小児神経疾患を扱っている脳外科医54名, 合計264名に送付した. 163名 (62%) より回答が得られ, 22名から68例の使用例が報告された.使用された対象年齢は4ヵ月から12歳, 使用量は0.5~1.0mg/kg/day (最大60mg/day) であった. また, 投与回数は, 1口2~9回に分割されていた. 投与された疾患の内訳は, もやもや病26例 (39%), 他の脳血管障害23例 (35%), 急性脳炎・脳症13例 (19%), その他, ミトコンドリア脳筋症 (MELAS), 低酸素性虚血性脳症 (HIE) などであった. 2007年夏, 一次調査で使用経験ありと同答した施設に対し, 小児脳梗塞に対する各施設での治療の現状とedaravone治験に対する施設対応に関し, 二次調査を行ったところ, 9割近くの医師が治験参加意志ありと回答した.

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© 日本小児小児神経学会
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