脳と発達
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新規プロトコールによるliposteroid療法が奏功した多嚢胞性脳軟化症合併West症候群の1例
小野 浩明
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キーワード: West症候群, ACTH, 脳萎縮
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2008 年 40 巻 5 号 p. 405-407

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抄録

症例は超低出生体重児として出生した1歳3ヵ月女児. 新生児期に晩期循環不全を合併し, 後に多嚢胞性脳軟化症に至った. 生後8カ月時, スパスムと脳波上ヒプスアリスミアを認め, West症候群と診断された. ACTH療法は児の脳萎縮を進行させる恐れがあると判断し, 新規プロトコールによるliposteroid療法が選択された. 治療開始後, スパスムは次第に減少し, 治療期間の後半には消失した. 治療期間中および終了後にも有意な副作用は認められなかった. 本療法は, West症候群のうち, 特に脳萎縮を有する症例に対し, ACTHの副作用を回避したい場合, 考慮される治療法になると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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