脳と発達
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精神症状が初発症状であった小児の急性散在性脳脊髄炎 (ADEM) の1例
小俣 卓新井 ひでえ田邉 雄三
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2008 年 40 巻 6 号 p. 465-468

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抄録

多動, 興奮, 急に泣き叫ぶなどの精神症状が初発症状であったマイコプラズマ感染後の急性散在性脳脊髄炎 (acute disseminated encephalomyelitis; ADEM) の1例を経験した.ADEMの初発症状として精神症状は稀で, はじめに精神疾患や心因性疾患が疑われ診断に苦慮する可能性が考えられた.意識障害やけいれんなどの典型的な脳炎・脳症徴候が明らかでない場合においても, 急性の精神症状を呈した場合, 感染症・予防接種歴を確認しADEMを鑑別診断の一つに考える必要があると思われた.

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© 日本小児小児神経学会
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