脳と発達
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家族性タイプI筋線維萎縮症
木下 真男亀井 敦行土屋 裕浅石 崇澄熊谷 通夫
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1974 年 6 巻 5 号 p. 397-403

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抄録

1. 幼時より非進行性の筋機能障害を有する40才女子と, 同様の経過を有する11才のその男児の2例を報告し, 両者に共通な筋病理所見としてタイプI筋線維萎縮の存在をたしかめた.
2. これらの症例の病理所見とnemaline myopathyとして報告されている症例との共通点を検討し, 両者の関連性について若干の考察を加えた.
3. その結果, 本家系の有する疾患は本態不明ではあるが, 報告されているnemaline myopathyの症例群と類縁関係にある可能性を推定するに至つた.
4. また, Dubowitzらのいうcongenital fiber type disproportionとの異同についても検討し, 選択的タイプI筋線維萎縮の機序について若干の考察を行なつた.

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© 日本小児小児神経学会
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