脳と発達
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橋底部軟膜下の神経細胞ヘテロトピーの起源についての考察
堀 映飯塚 礼二
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1975 年 7 巻 2 号 p. 121-124

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抄録

胎生期のある時期には脳幹部にも外穎粒細胞層が存在し, 橋では胎生4カ月頃に認められる.胎生中期には三叉神経根が橋を出る個所に遺残しているが, やがて消えていく.生後17日の無嗅脳症児にそれらが橋底部に高度に遺残していたのが認められた.本論文では, 43才男子, 対称性視床変性症の症例に偶発所見として観察された橋底部の実質の軟膜下エクトピーと, その中に散在するヘテロトピー性神経細胞を問題とし, これが胎生期外穎粒層細胞から分化したものであり, またこれがCooper and Kernohan (1951) が観察したsubpial heterotopicglial nestsとは本質的に異るものであろうと考えた.

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© 日本小児小児神経学会
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