1975 年 7 巻 6 号 p. 445-454
脳性麻痺児のハビリテーショソにおいては, それが児童の発達過程にかかわる問題であることから, いつも正常発達との比較でハビリテーションは進められるべきである.そこにみられる現象には, 運動・動作・行為といった行動のあらゆる側面に, 同年齢の正常児と比較して, いわゆる “おくれ” と, 正常児にはみられない “異常” がある.脳性麻痺児ハビリテーションの目的が, 可能なかぎり患児を正常に近づげようとするものであるかぎり, 問題のとらえ方は, ここに記したように “おくれ” と “異常”, あるいは陰性徴候と陽性徴候といった概念に基づいて行なわれるべきであろう.