オレオサイエンス
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総説論文
飽和・不飽和脂肪酸と肥満・動脈硬化性疾患
浅原 (佐藤) 哲子
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2010 年 10 巻 10 号 p. 365-370

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抄録

最近の疫学研究により, 飽和脂肪酸摂取やトランス型脂肪酸摂取が, 虚血性心疾患のリスクを有意に高めることが報告されている。飽和脂肪酸を含む遊離脂肪酸はその脂肪毒性により, 全身のインスリン抵抗性, 糖脂質代謝や肥満を悪化させ, 炎症・動脈硬化など心血管病リスクを促進する。一方, 不飽和脂肪酸は飽和脂肪酸の炎症惹起作用を減弱しうる。今後, 摂取脂肪量のみならず, 脂肪の質, つまり飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の比に着目した食事指導・脂質管理が虚血性心疾患の予防に有効であると考えられる。さらに近年, 個々の脂肪酸の研究とともに, 脂質やその代謝物の網羅的解析 (リピドミクス) の重要性も注目されている。

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© 2010 公益社団法人 日本油化学会
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