大阪歴史博物館研究紀要
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中之島・堂島蔵屋敷跡出土品にみる19 世紀の献上・贈答について
杉本 厚典
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2026 年 24 巻 p. 21-38

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抄録
 本稿は19世紀の大坂中之島・堂島蔵屋敷跡から出土した陶磁器や特産品の容器の事例を紹介し、当時の献上・贈答文化の実態について検討した。佐賀藩の梅干し(梅干壺・蓋)は大坂城代に献上していた可能性があり、蔵屋敷や武家地での出土例が多い泡盛(泡盛容器)や宇治茶(腰白茶壺)は贈答品であると同時に格式の高い品として大坂市中に流通していたと想定した。吉向焼碗、南紀男山焼染付皿、尾戸焼土師質土器皿、新宮焼桃形鉢は藩窯で製作され、蔵屋敷に限って出土していることから贈答品として用いられていたとみられる。三官飴、保命酒も武家地での出土が多いが、大坂市中に広がっていることから、一般にも流通しており、三官飴・保命酒は多くの階層に受容されていたと推測した。  また、佐賀藩や福岡藩・久留米藩に関連する史料から、大坂城代、奉行、銀主らに対して贈答を行う事例が認められ、これらの献上品・贈答品には明確なランクが存在し、相手や状況に応じて使い分けられていた。献上・贈答とは単なる物品のやり取りにとどまらず、政治的・社会的関係を明確にするための重要な手段であったことがうかがえる。
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