抄録
先行研究で説明されているトーンクロマの振る舞いに関して一切検討されていない事から本研究ではその振る舞いに関して検討を行い,内観報告を用いてトーンクロマの正体が周波数固有の音高以外の現象であり,音楽理論や絶対音感の性質,オクターブ等価性や半音差で劇的に印象が変化するという実験的事実により周波数固有の音高以外の現象は五度圏を描き,音楽にピッチを上げたり下げたりすると非連続的に印象変化をする性質があると示した。更にそれは絶対音感保持の有無に関わらず存在する現象であると示唆された。本研究はその振る舞いが離散スペクトルのような性質を示す事を証明した世紀の大発見であるがその非連続的な振る舞いは盲点の現象であり外部から観察出来ない内観現象であり如何なる検出器で検出不可能であり,また統計的データ化不可能であるため物理学者が数式的に解明する事は不可能であると論じる。またオクターブ等価性などのピッチの循環的側面,絶対音感,ピッチの時間説,ミッシングファンダメンタルなどの音の高さで説明してしまうと摩訶不思議に見える現象は周波数固有の音高以外の現象で置き換えられて説明できる事が判明した。