日本温泉気候物理医学会雑誌
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温泉のある休暇村における長期滞在需要を高める取り組み~公式ウェブサイトの分析・考察から~
藤本 和弘
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論文ID: 2339

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抄録

  環境省が推進する「新・湯治」政策においては,温泉地における長期滞在需要を高めるための滞在プランづくりが求められている.どのようなプランづくりが進められているかを,国民保養温泉地を中心に調査した報告がある.それによれば,温泉地周辺の5つの外部環境資源の活用とその組み合わせが提案されている.すなわち,自然環境を活かす,歴史文化環境を活かす,人工環境や施設を活かす,移動して異環境を活かす,夜の時間帯を活かす,の5つである.本報告では,この5類型の活かし方が妥当かどうかを,休暇村で提案されている滞在のためのプログラムで検証を試みる.また,提案されているプログラムが滞在需要を高めるかどうかも評価した上で,改善点を提案する.

  本報告で取り上げる休暇村は,リトリート安曇野ホテル,乗鞍高原,南伊豆,富士,能登千里浜,越前三国,近江八幡,南淡路,竹野海岸,南紀勝浦,蒜山高原の11休暇村である.

  その結果,5類型には妥当性があり,5つの外部環境資源を活かし組み合わせた滞在のためのプログラムづくりの必要性が検証された.また,プログラムづくりにおいては,ウォーキングコース沿線に存在する外部環境資源の多様性よりも,プログラムを実行する発着地への近接性とプログラムを完遂させる時間である持続性が重要になることも示された.

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