日本温泉気候物理医学会雑誌
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気管支喘息に対する温泉療法の臨床効果
9. 気道過敏性の抑制作用
谷崎 勝朗貴谷 光岡崎 守宏御舩 尚志光延 文裕奥田 博之越智 浩二原田 英雄高橋 清木村 郁郎
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1993 年 56 巻 3 号 p. 135-142

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抄録

気管支喘息16例を対象に, 温泉療法の気道過敏性に対する効果について検討を加えた。まず, 全症例での検討では, 温泉療法前の気道反応をひき起こす平均メサコリン濃度は470μg/mlであったが, 温泉療法後は1514μg/mlにまで増加し, 温泉療法は気道過敏性を低下させる作用があることが明らかにされた。
年齢別検討では, 明らかに気道過敏性が低下した症例は, 59歳以下では9例中4例 (44.4%), また60歳以上では7例中2例 (28.6%)であり, 59歳以下の症例で気道過敏性の低下がより高度であることが明らかにされた。
気道炎症細胞との関連では, 明らかに気道過敏性の低下を示した症例は, BAL液中好中球, 好酸球の頻度がいずれも5%以下の症例では5例中1例 (20.0%), 好中球の頻度が5%以上の症例では5例中3例 (60.0%), 好酸球の頻度が5%以上の症例では6例中4例 (66.7%) に見られ, 温泉療法による気道過敏性の低下は, BAL液中好中球や好酸球の頻度が高い症例により高度であることが明らかにされた。
これらの結果は, 温泉療法により気管支喘息患者の気道過敏性が明らかに低下すること, そして, この気道過敏性の低下は, 年齢では60歳以上の症例に比べ, 59歳以下の症例において, また気道炎症細胞との関連では, BAL液中好中球や好酸球の頻度の高い症例においてより高度であることを示している。

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