日本温泉気候物理医学会雑誌
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生薬揮発成分の温浴効果
萬 秀憲佐藤 広隆古元 嘉昭
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1993 年 56 巻 3 号 p. 163-173

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抄録

皮膚血流量, ペントバルビタール睡眠時間, 温熱効果に及ぼすセンキュウ乾燥エキスの揮発部と非揮発部の影響を検討した。また, センキュウ乾燥エキスの揮発部による人体への影響についても検討した。
皮膚血流量はレーザドップラー血流計を用いてウサギ腹部で測定した。センキュウ乾燥エキス揮発部の適用により皮膚血流量は増加したが, 非揮発部の適用では皮膚血流量に変化は認められなかった。マウスを用い, ペントバルビタールにより導入された睡眠への影響について検討した。揮発部の吸入により, ペントバルビタール睡眠時間は延長したが, 非揮発部の吸入では変化は認められなかった。サーモグラフィーを用い, 40℃ 10分間入浴後の温熱効果を比較した。入浴後の皮膚温は, 非揮発部浴の場合に比べ揮発部浴の方がより高い皮膚温を維持していた。
センキュウ乾燥エキスの揮発部 (香り) が人体に及ぼす影響を, 脳波, 心電図により検討した。揮発部 (香り) に鎮静効果が認められた。
これらの結果は, 生薬中の揮発部が, 生薬の効果の発現に重要であることを示唆している。

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