日本温泉気候物理医学会雑誌
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気管支喘息患者における温泉療法とエゴマ油食の血清ECP値に対する影響
高田 真吾芦田 耕三保崎 泰弘濱田 全紀岩垣 尚史藤井 誠光延 文裕
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2006 年 69 巻 4 号 p. 261-268

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抄録

我々は、気管支喘息の治療に温泉療法とn-3系多価不飽和脂肪酸を多く含むエゴマ油食の併用が有効であることを報告してきた。その作用機序としては、白血球からのロイコトリエンC4 (LTC4) 産生能の抑制が示唆されたが、その解明は不十分である。そこで、今回我々は、温泉療法とエゴマ油食の気管支喘息の病態に対する作用機序を明らかにすることを目的として喘息患者の血清 eosinophil cationic protein (ECP) 値に対する併用療法の効果を検討した。症状の安定した10名の喘息患者に温泉療法及びエゴマ油食の摂取を4週間行い、その間の末梢血白血球LTC4産生能、血清ECP値、呼吸機能の変化を比較検討した。その結果、白血球LTC4産生能、血清ECP値は治療開始4週後有意に抑制された (P<0.05)。また、呼吸機能の中では、努力肺活量 (FVC) が治療開始4週後に有意に改善した (P<0.05)。4週間で血中好酸球数は低下傾向が見られたが有意の変化ではなかった。これらの結果より、温泉療法とエゴマ油食は白血球LTC4産生能、血清ECP値を抑制することにより呼吸機能を改善させ、気管支喘息の治療に有効であることが示唆された。

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