帯広大谷短期大学紀要
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自然科学・教育科学
食肉の脂質に関する研究 その1
牛肉と豚肉の脂質組成
池添 博彦藤野 安彦
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1970 年 8 巻 Natural_Educ 号 p. 47-57

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抄録

1.牛と豚のバラ肉とヒレ肉を試料としてその脂質組成ならびに脂肪酸組成を調べた。2.肉の全脂質を非極性脂質と極性脂質に分けたとき,極性脂質の割合はバラ肉よりもヒレ肉の方に高かった。3.非極性脂質では,牛,豚共にトリグリセリドと少量の遊離ステロールが存在したが,豚ではその他に少量の道離脂肪酸がみられた。4.極性脂質では,牛,豚共にホスファチジルエタノールアミン,ホスファチジルコリン,ホスファチジルイノシトール,スフィンゴミエリンの存在が認められた。5.脂肪酸組成では,牛肉はオレイン酸とパルミチン酸が多く,豚肉ではその他にリノール酸をかなり多く含んでいた。6.豚肉は牛肉に較べて,全脂質,非極性脂質および極性脂質を通じて不飽和脂肪酸の割合が多かった。

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© 1970 帯広大谷短期大学
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