2019 年 26 巻 2 号 p. 205-211
ロボット支援下手術は近年消化器外科領域において重要な治療手段の一つとなっているが, 肝胆膵外科においては, 技術的困難性や使用デバイスの不十分さを背景に, ロボット支援下手術はいまだ発達途上の術式である. しかしながら, ロボット自体の持つ機能的利点は, 通常腹腔鏡下肝切除術の様々な欠点を補完でき, 特に高難度解剖学的肝切除や脈管再建を伴う肝切除はロボット支援下肝切除の重要なターゲットになることが期待される. 本稿では, 当科における83例のロボット支援下肝切除の経験を概説し, 手術成績について議論する.