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耳鼻咽喉科展望
Vol. 52 (2009) No. 5 P 282-288

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http://doi.org/10.11453/orltokyo.52.282

綜説

嚥下障害は高齢化社会の到来とともに医療的にも社会的にも大きな問題となってきた。高齢者では生理的にも嚥下機能が低下し, 誤嚥性肺炎の危険性が増大する。そこで, 嚥下機能の加齢変化様式について, 基礎的および臨床的観点から述べた。咽頭期嚥下において重要な機能を担う筋のうち, 食塊駆動筋である甲状咽頭筋の機能は低下するのに対し, 食道入口部括約筋である輪状咽頭筋は機能的に変化がないことが明らかになった。健常高齢者を対象とした嚥下内視鏡検査, 嚥下造影検査, 嚥下圧検査による多角的検討でも, 高齢者では嚥下反射の惹起性の低下, 食塊の咽頭通過時間の延長, 食道入口部括約機構の機能障害などの所見が認められた。これらの障害はカプサイシン投与により改善し, 加齢による嚥下障害に対する予防あるいは治療法としての可能性が示唆された。

Copyright © 2009 耳鼻咽喉科展望会

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