粘膜免疫システムの中核をなす腸管免疫と呼吸器免疫は粘膜免疫システムとしての普遍的ユニーク性を示すと同時に, 各組織に独自の免疫制御機構を有している。花粉症や食物アレルギー, 喘息, 潰瘍性大腸炎などに代表される粘膜免疫疾患においても同様であり, 呼吸器, 腸管に共通の発症因子に加え組織特異的な発症メカニズムが存在し, それらを人為的に制御することで各種粘膜免疫疾患の予防, ならびに治療が可能となる。
本稿では, 呼吸器免疫と腸管免疫が有する粘膜免疫システムとしての共通性に着目した粘膜免疫療法の開発について, 我々の最新の知見と他のグループからの報告を交えながら紹介したい。