2012 年 55 巻 3 号 p. 155-159
手術治療を必要とした慢性副鼻腔炎患者278例においてアレルギー性疾患 (通年性アレルギー性鼻炎, 気管支喘息) の合併がどのように影響しているか自覚症状 (鼻閉, 鼻汁, 後鼻漏, 嗅覚障害) およびLund & Mackey scoring systemを用いたCT画像による検討を行った。その結果自覚症状の嗅覚障害においてアレルギー性鼻炎および気管支喘息の合併で有意にその程度が高いことがわかった。またCT画像による検討においては, 気管支喘息の合併で有意に広範囲に障害され, 重症度が高いことが確認された。
今後さらにアレルギー性疾患の増加が考えられ, 慢性副鼻腔炎の病態・治療を考える上で重要であると考えた。