耳鼻咽喉科展望
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鼻内内視鏡手術における眼窩損傷の検討とその対応
袴田 桂嘉鳥 信忠
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2014 年 57 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

 昨今の鼻内内視鏡手術はモニター画像を見ながらマイクロデブリッダーを使用し, 血液を吸引除去し同時に病変を切除する方法が一般的である。術中の利便性, 操作性は目視下の肉眼的手術に比べ格段に向上した一方で, 内視鏡下の手術では二次元的画像下での立体構造の把握がやや難しいため, 気付かぬうちに深部に操作が到達していることがある。さらにはマイクロデブリッダー等のパワーインストルメントにより, 一旦眼窩壁の損傷を来すと重篤な合併症を来す恐れがある。
 当院では医原性眼窩損傷に対し, 眼形成眼窩外科医, 眼科医, 耳鼻咽喉科医のチームで治療を行っており, それぞれ専門性を生かした治療を行うことで良好な結果が得られている。当院に紹介されてきた医原性眼窩損傷の症例と, その具体的な治療を提示し, 手術合併症が生じた場合の対応法について記す。

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