耳鼻咽喉科展望
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臨床
耳介後部動静脈奇形を血管塞栓後摘出した1例
鈴木 美知子柳 徳浩竹下 直宏恩田 信人渡邊 統星飯田 誠
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2019 年 62 巻 5 号 p. 209-215

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抄録

 動静脈奇形は頭蓋内病変に多くみられ, 頭頸部領域での報告は少ない。 根治的な治療としては手術での完全摘出が望ましいが, 術中出血コントロールが問題となることがあり, 治療に難渋することがある。 今回,われわれは耳介後部動静脈奇形に対し, 流入血管を選択的に血管塞栓術後に摘出した1例を経験したので報告する。

 症例は37歳の女性で, 拍動性耳鳴, 徐々に増大する耳介後部拍動性腫瘤を主訴に当院脳神経外科を受診した。 右耳介後部に 30mm 大の弾性軟, 可動性良好な無痛性拍動性腫瘤を触知した。 3D-CT Angiography で右耳介後部を中心に右外頸動脈から拡張, 蛇行した後耳介動脈が末梢の nidus 様の異常血管構造に流入し, 外頸静脈へ早期流出する所見を認め, 動静脈奇形が疑われた。 血管造影にて流入動脈の大部分は後耳介動脈で, その他後頭動脈,浅側頭動脈からも流入がみられた。 流出静脈は外頸静脈と診断し, 脳神経外科で後耳介動脈を動静脈奇形の末梢側でコイル塞栓術を施行した。 さらに当科では Indocyanine green (ICG) 蛍光血管撮影にて流入・流出路を再度確認しながら出血は少量で安全に摘出しえた。 術後約2年2ヵ月が経過しているが, 明らかな再発は認めてない。

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