2019 年 62 巻 6 号 p. 252-260
頭頸部のウイルス関連癌として, Epstein-Barr ウイルス (EBV) に関連する上咽頭癌と, ヒト乳頭腫ウイルス (HPV) に関連する中咽頭癌がよく知られている。 近年, 血液中の循環腫瘍細胞などのリキッドバイオプシーが注目されているが, ウイルス関連癌では他の癌とは異なり, ウイルスに着目することができる。
ウイルス関連癌におけるリキッドバイオプシーとして, 上咽頭癌における血漿中 EBV DNA と, 中咽頭癌におけるうがい液中 HPV DNA を中心に, これらのバイオマーカーとしての意義につき概説する。