耳鼻咽喉科展望
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上気道閉塞による下気道 (肺機能) の変化についての実験的研究
末光 迪生
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1975 年 18 巻 2 号 p. 121-140,114

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抄録

上気道の閉塞, すなわち鼻閉および喉頭の閉塞が存在する場合に, 下気道, 特に肺機能に如何なる変化が起るかを目的として, 犬を使用し外科的手段で鼻閉, 喉頭閉塞を作成し, 動脈血ガス分圧および肺機能検査を測定した。
鼻閉, 喉頭閉塞前の平均値と閉塞後を3日後から3カ, 月までをシリーズ的に測定し比較検討した。
鼻呼吸から口呼吸に変化することにより特に喉頭の抵抗に著しい変化がみられ, 特に呼気時に閉塞前後を比較すると閉塞後抵抗値の上昇がみられた。pulmonary resistanceの変化と同様にPO2減少およびPCO2の増加がみられた。喉頭閉塞の結果は, 閉塞前後そは喉頭の気流と圧の関係が著しく変化し, K1およびK2の値にも著しい変化がみられ, 動脈血にはhypoxemiaがみられた。
以上の結果によ, 下気道に解剖学的, 病理学的, 生理学的変化が生じていることを示唆している。

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