1990 年 33 巻 5 号 p. 397-402
われわれは最近10歳男児の頸部に生じたCastlemanリンパ腫を経験した。われわれの経験した症例の病理所見はhyaline-vascular typeで本邦で頭頸部に発生した症例の80%を占めていた。
Castlemanリンパ腫の発生部位は縦隔が最も多く, ついで頸部である。本邦においては頸部に発生した本症例の報告例は少ない。文献的には頸部発生の症例の報告は54例である。Castlemanリンパ腫の治療は外科的切除で, その予後は良好である。頭頸部腫瘤の診断上考慮すべき疾患である。