耳鼻咽喉科展望
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癒着性中耳炎の病態
森山 寛関 哲郎荒井 秀一上出 洋介
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1991 年 34 巻 2 号 p. 185-193

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抄録

癒着性中耳炎は耳管機能が障害されている例が多く, 術後の中耳腔の確保が困難で, 術後聴力の改善は決して満足すべきものではなかった。そして炎症を繰り返しながら緊張部型真珠腫に移行するものもある。また自然経過中に骨導聴力の低下を来す症例も多く, 放置できない疾患である。一般に癒着性中耳炎の病態は複雑であり, その分類は容易ではないが, とりあえず今回は鼓膜の癒着部位により, 全面癒着型と後上部癒着型の2つに便宜的に分類してみた。そして過去に経験した16歳以上の初回手術例48例を対象として, 年齢, 対側耳の状態, 骨導聴力, 耳管鼓室口の病変, 耳小骨の状態や癒着鼓膜の病理学的所見などについて検討を加えた。

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