耳鼻咽喉科展望
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めまい症例の統計的観察
随伴症状を伴わない突発性回転性めまい発作についての検討
浅井 美洋峯田 周幸野末 道彦
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1991 年 34 巻 5 号 p. 533-538

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抄録

めまい症例の中には他覚所見に乏しかったり, 病歴が非定型的であるために診断に難渋する例が少なくない。随伴症状を伴わずに突発する反復性一過性の回転性めまい発作をきたす例もそのひとつで, 従来より前庭型メニエール病などと呼ばれて病態の分析が試みられてきた。今回我々は昭和60年1月から平成元年12月の5年間に当科を受診した新患のうち, めまい・平衡障害を訴えていた患者1286名について調査し, 臨床統計としてまとめ報告した。さらにこの中から初期診療の段階で, 突発性の一過性回転性めまい単独発作で発症したものの, 他覚所見に乏しく診断に至らないでいた例の中から最終的に診断が確定した症例の診断名を調べた。このような症例は9例あり, 内訳は大別して内リンパ水腫によると考えられるものが4例, 前庭系の循環不全によると思われるものが5例であった。このような発症様式をとる症例の中に, 脳血管障害の前兆としてのめまいが含まれている可能性が示唆され, 予防医学的に重要と考えた。

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