1991 年 34 巻 Supplement2 号 p. 115-119
滲出性中耳炎の症例に対してS-carboxymetyl cysteine (S-CMC) を3ヶ月間使用し鼓膜切開後投与群で有効以上53.6%, やや有効以上75%, 鼓膜非切開群で45.8%, やや有効以上70.8%の改善率であった。
鼓膜所見からみた改善度では鼓膜陥凹, 発赤群に治療効果が認められ, 有効以上50.0%, やや有効以上73.1%であった。今回検討した滲出性中耳炎患者において, S-CMCシロップによる特記すべき副作用は認められなかった。以上の結果からS-CMCシロップは滲出性中耳炎にたいする補助療法として, 試みられる価値のある薬剤と思われた。