1991 年 34 巻 Supplement7 号 p. 565-573
慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎および耳手術創の感染例, 107例にオフロキサシン (OFLX, タリビッド ®) を投与し臨床的有用性を検討した。全例1日600mg投与で, 判定までの投与日数は7日から14日 (平均7.6±1.5日) であった。
自他覚所見の改善率は耳痛100.0%, 耳閉感66.7%, 耳漏67.6%, 粘膜の発赤59.3%, 腫脹64.3%, 分泌物量68.8%, 分泌物の性状56.1%であった。自他覚所見を中心にみた菌の消失率1は34.6%であった。
全般改善度では, 改善以上の改善率は60.7%, やや改善以上の改善率は79.4%であった。有用度では, 有用以上は63.2%, やや有用以上は79.2%であった。軽度の副作用は3例 (2.7%) にみられたが, 継続投与が可能であった。
タリビッド ® 錠は慢性中耳炎, 真珠腫性中耳炎および耳手術創の感染例に対し, 良好な効果が期待でき, 安全に投与しうる薬剤と考えられた。