1992 年 35 巻 1 号 p. 5-28
現在標準といわれているActive Anterior法による鼻腔通気度検査を耳鼻科健康診断, 鼻腔整復術の手術前後, 上顎洞根本手術既往例に用い, 健康診断および鼻副鼻腔手術の評価に鼻腔通気度検査を用いることの有用性を検討した。また鼻閉, 鼻腔形態と鼻腔通気度との関連を検討した。
耳鼻科健康診断にノズルAnterior法による鼻腔通気度検査を用いることにより, より正確な鼻閉に対する診断を行えることが示唆された。
両側鼻腔抵抗値が良好にもかかわらず鼻閉を訴えるものは, 原因として鼻腔通気の左右差および鼻腔上部の通気不良が考えられた。
鼻腔整復術は鼻閉に対する手術として評価が高いが, 今回術後に鼻腔通気度の良好な改善を認め, この手術法が客観的にも鼻腔通気の改善に有効なことが認められた。