耳鼻咽喉科展望
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内視鏡的篩骨洞微細手術における鼻前頭管部の処置
大西 俊郎兼子 幸恵橘 敏郎江崎 史朗府川 和希子
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1992 年 35 巻 3 号 p. 205-213

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抄録

従来の鼻内的副鼻腔手術において最も大切で困難な点は鼻前頭管部の処置であった。内視鏡的鼻内手術の導入により, 初めてこの部を明視下に操作することが可能となり, この部の手術を確実かつ安全に施行するための手技を確立することが必要となっている。この報告は先ず内視鏡的手術に必要な節骨洞の解剖学的事項を示し, 内視鏡的節骨洞微細手術の経験を通じ, 鼻前頭管部の開放の方法について検討し, その手順を報告した。全体で190例 (男136例, 女54例) の慢性副鼻腔炎症例に対し311件の内視鏡的節骨洞微細手術を施行したが, その中, 177件 (57%) において鼻前頭管部の開放を施行した。術前に前頭洞の病変は190例中の67例 (36%) に認めた。術後反応が落ち着いた3ヵ月以降において, 前頭洞孔の開通を視認できたのは開放側177側中の32側 (18%) であったが, 術後に前頭洞炎の症状を呈した症例は皆無で, この術式による前頭洞孔の術後閉塞は起こり難いと思われ, 前頭洞炎の治療手段として有用であると思われた。

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