1992 年 35 巻 Supplement2 号 p. 107-116
末梢性および中枢性めまいなど57例に対する塩酸ジラゼプ (コメリアンコーワ錠) とATP錠剤 (アデポスコーワ穎粒) の併用投与による臨床効果を検討した。
総合判定では,「やや改善」以上で自覚症状87.0%, 他覚所見89.4%, 全般改善度86.0%と高い改善率を示し, 診断名別にみても, 末梢性めまい, 中枢性めまいのいずれにおいても高い改善率を示した。これまでに行われた塩酸ジラゼプ, ATP製剤のめまいに対する臨床試験の成績と比較すると「やや改善」以上では, 塩酸ジラゼプ単独の場合とほぼ同様の改善率を示したが, 改善以上および著明改善では, 各々の薬剤の単独の改善率と比較するとかなり高い値となった。副作用は3例出現したが, 特に重篤なものはなかった。