耳鼻咽喉科展望
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オフロキサシン耳用液投与後の血清, 中耳粘膜および耳漏中オフロキサシン濃度
馬場 駿吉小林 武弘大山 勝島 哲也佐藤 喜一本多 芳男石井 正則岡崎 治橋本 新二郎
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1992 年 35 巻 Supplement6 号 p. 497-502

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抄録

化膿性中耳炎患者を中心にオフロキサシン (OFLX) 耳用液を投与し, OFLXの血清中, 中耳粘膜中および耳漏中への移行性を検討した。
1) 0.5%OFLX耳用液10滴 (OFLX2.5mgに相当) 投与30分後, 60分後の血清中濃度は, それぞれ≦0.017, ≦0.007μg/mlと低値であった。
2) 0.3%OFLX耳用液10滴 (OFLX 1.5mgに相当) 反復投与時の各投与30分後の血清中濃度は≦0.012μg/mlと低値であった。
3) 0.3%OFLX耳用液5滴 (OFLXO.75mgに相当) を小児に投与した際の30~120分後の血清中濃度は, ≦0.013μg/mlと成人同様低値であった。
4) 0.3%OFLX耳用液10滴 (OFLX 1.5mgに相当) 投与90分後の中耳粘膜中濃度は19.5μ9/9, 0.5%OFLX耳用液10滴 (OFLX 2.5mgに相当) 投与30~75分後の中耳粘膜中濃度は35.3~319.5μg/gと高値であった。
5) 0.1%OFLX耳用液10滴 (OFLXO.5mgに相当) 投与10分後および30分後の耳漏中濃度は, それぞれ≧766.2, ≧106.5μg/m1と高値であった。
以上より, OFLX耳用液は化膿性中耳炎に対して望ましい体内動態を示す局所用剤と考えられた。

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