耳鼻咽喉科展望
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耳鼻咽喉科を受診したアスピリン喘息症例の臨床的検討
洲崎 春海寳迫 雪
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1993 年 36 巻 1 号 p. 36-42

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抄録

耳鼻咽喉科を受診したアスピリン喘息症例14例について, 耳鼻咽喉科の立場から臨床的検討を行った。主訴は鼻閉が最も多くて11例 (79%) であった。喘息症状に先行して鼻症状が発症する例が比較的多かった。喘息の程度は, 中等症以上が12例 (86%) であり, このうちステロイド依存型の重症例が3例 (21%) あった。対象症例14例中13例 (93%) に慢性副鼻腔炎が合併しており, 12例 (86%) が鼻茸を有していた。鼻茸組織中には著明な好酸球の浸潤が認められた。アレルギー検査では14例中8例 (57%) でダニ, ハウスダストなどの抗原が陽性であった。喘息誘発物質は, アスピリンを始めとして種々の非ステロイド解熱消炎鎮痛剤が認められた。

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