耳鼻咽喉科展望
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Neurofibromatosis (I型) の神経耳科的検討
府川 和希子石井 正則白沢 昭弘八代 利伸小林 毅金田 健作森山 寛新村 真人
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1993 年 36 巻 3 号 p. 304-309

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抄録

NeurofibromatosisはBaylor Neurofibromatosis programによって8型に分類され, その1型に相当するものが所謂Recklinghausen病である。
1990年1月から1992年9月までに当科を初診した1型, 25症例について, 平衡機能検査, ENG, 脳波検査, 頭部MRIを施行した。その結果, 全例に平衡機能障害の自覚も既往もなく, 平衡機能検査上にも異常はなかった。
しかし, ENG上では全例に微弱ではあるが何らかの眼振所見が認められた。また, 脳波上では施行例中56.3%に境界域~異常な所見を認め, 頭部MRI上では, 聴神経腫瘍を疑わせる所見はなかったものの, 一部のT1及びT2強調画像上で小脳や脳幹に高あるいは低信号領域がみられた。
どの結果も定型的なものはなかったが, 小脳から脳幹にかけて何らかの中枢神経系の異常が示唆された。

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