耳鼻咽喉科展望
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航空機搭乗員の空酔い対策
具体的プログラムとその結果について
石井 正則八代 利伸小林 毅金田 健作府川 和希子森山 章
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1994 年 37 巻 1 号 p. 95-100

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抄録

空酔いは, 訓練中の航空機搭乗員にとって症状が改善しない時には深刻な問題になる。それは本人だけでなく安全運航上においても解決すべき重要な課題である。各国の空軍では, コリオリ刺激による脱過敏 (desensitization) やバイオフィードバック療法によって70-84%のRehabilitation Rateが得られることを報告している。しかしそのためには特殊な装置や激しい加速度訓練が必要になる。そこで日常の生活の中で空酔いの対策になるプログラムを考案した。その内容は, 自律神経系を安定化し異なる加速度や重力方向の変化に対して適応できるように, ストレッチ体操, 水泳, 加速度変化の体験などをリハビリの中心とし, さらに自律神経調整作用のある薬剤や抗ヒスタミン剤を随時併用するものである。1987-1992年の5年間に11名の航空機搭乗員にこのプログラムを用いて空酔いに対する治療を行ったが, そのRehabilitation Rateは, 81.8%であり, 空酔いに対する有効な方法と考えられた。

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