耳鼻咽喉科展望
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頭頸部癌患者の癌再発時における免疫パラメータの変動
大橋 伸也吉田 知之奥平 唯雄荒木 進佐藤 春城吉浦 宏治北村 真紀萩原 晃笹谷 文香舩坂 宗太郎
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1994 年 37 巻 3 号 p. 333-340

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抄録

一次治療後に再発を認めた頭頸部癌患者18例について, 癌再発直前および直後に免疫パラメータの変動があるかを検討した。免疫パラメータは末梢血におけるIAP, SCC, リンパ球数, OKT4, 0KT8, 0KT4/8, Leu7, Leu11, PFAリンパ球幼若化反応を用い, これらを一次治療後, 再発直前および再発直後に測定し, その変動を検討した。
IAP, SCC, OKT8, Leu7は再発直前, 直後の値が上昇傾向を示した。リンパ球数, PFAリンパ球幼若化反応, OKT4, 0KT4/8, Leu11は再発直前, 直後の値が低下傾向を示した。
IAPは再発直前の変動が有意であり, 再発を予測する指標であることが示唆された。SCC抗原は再発直前で有意な上昇を示したが比較的軽度であった。しかし再発直後の上昇は著しかつた。OKT4, OKT8, OKT4/8は再発直前で有意な変動を示したが, これらは再発直後を含めても個々の値は概ね正常範囲内にあり, 再発の指標とすることは困難であった。

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