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耳鼻咽喉科展望
Vol. 37 (1994) No. 3 P 355-364

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http://doi.org/10.11453/orltokyo1958.37.355


掌蹠膿庖症は手掌, 足底に限局する再発性の膿疱形成と, それに続く落屑性紅斑性皮疹を特徴とする疾患である。本症の10-15%に胸肋鎖骨異常骨化症を伴うが, 骨シンチグラムを行うと更に高頻度に潜在性の骨関節炎が見出される。大多数の患者では扁桃や歯肉などの細菌感染を基盤とした病巣感染が病因として考えられ, また扁桃上皮と掌蹠皮膚の角層で交差反応を示す抗ケラチン抗体が検出されている。少数の患者では歯科金属除去により軽快する。今後スーパー抗原の関与やサイトカインネットワークの乱れなどについて検討すべきである。治療の第一選択としてステロイド剤の外用が最も行われているが, PUVA単独あるいはレチノイドとPUVAの併用 (Re-PUVA) も用いられる。シクロスポリン内服 (5mg/kg日以下) は極めて有効で難治例に試みてよいであろう。完治には基盤となる病巣感染を扁桃摘出, 歯科処置などで除去することが推奨されているが, 信頼性のある術前の評価法が未だ確立されていない。皮膚科, 耳鼻咽喉科, 歯科, 整形外科その他関連科の密接な連携が本症患者にとって診療上大切である。

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