耳鼻咽喉科展望
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オフロキサシン耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究
原田 勇彦加我 君孝水野 正浩奥野 妙子飯沼 寿孝堀口 利之船井 洋光井上 憲文安倍 治彦大西 信治郎牛嶋 達次郎宮川 晃一伊藤 修佐久間 信行北原 伸郎土田 みね子飯塚 啓介小林 武夫杉本 正弘佐藤 恒正岩村 忍矢野 純山岨 達也広田 佳治仙波 哲雄横小路 雅文鈴木 光也
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1994 年 37 巻 3 号 p. 380-387

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抄録

鼓膜炎, 慢性化膿性中耳炎, 真珠腫性中耳炎の感染時, 中耳術後の再感染症例を対象として, オフロキサシン (OFLX) 耳用液の有用性と耳浴時間に関する臨床的研究を行った。研究参加施設を無作為に2群に分け, 1群では1回6-10滴, 1日2回, 7日間以上の点耳を行い, 毎回点耳後約10分間の耳浴を行うよう, II群では同様の点耳後に2-3分間の耳浴を行うよう患者に指示した。総投与症例は258例で, 全体では83.3%の改善率, 86.7%の菌消失率 (143例中) が得られた。副作用は1例もなく, 全体としては82.9%の有用率であった。統計学的検定により1群とII群の比較を行ったところ, すべての項目で両群間に有意の差はみられなかった。以上の結果から, OFLX耳用液は鼓膜, 中耳の炎症性疾患に対して極めて有用かつ安全なものであり, その点耳後の耳浴時間は2-3分でも十分な効果が得られるものと考えられる。

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