耳鼻咽喉科展望
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頸部血管腫への照射後に誘発がんを重複発生した1症例
原田 竜彦行木 英生加納 滋奥野 哲治
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1994 年 37 巻 4 号 p. 431-437

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抄録

5歳時に頸部・顔面の血管腫に対し放射線治療を受け, 35年後に甲状腺濾胞癌と舌根扁平上皮癌を重複発生した症例を報告した。
良性疾患への放射線照射後に誘発がんが重複発生したとする報告は過去に国内で7例のみであった。過去の報告例でも自験例と同様に, 照射から第1がん発生までの期間に比べ第1がんと第2がんの発生時期が近接している症例が多かった。この理由について, 放射線誘発がんの発生機序より検討を加えた。

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