耳鼻咽喉科展望
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再発を繰り返した巨大後咽頭脂肪腫の1症例
橘 敏郎徳永 雅一江崎 史朗大西 俊郎加藤 孝邦
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1994 年 37 巻 5 号 p. 531-534

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抄録

頭頸部領域に脂肪腫が発生することは比較的稀である。今回我々は過去41年間に頻回に再発を繰り返した後咽頭に発生した巨大脂肪腫の1例を経験したので報告した。
症例は69歳女性。嚥下困難, 労作時呼吸困難を主訴に当科を受診。現病歴及び画像診断より脂肪腫の再発と診断, 頸部を両側縦切開し腫瘍を一塊として摘出した。腫瘍は大部分後咽頭に存在, 一部咽頭腔内にも存在した。摘出標本は6.0×7.5×5.0cm, 総重量69g, 病理組織診断は脂肪腫であった。現在再発もなく経過良好であるが, 再発を繰り返す脂肪腫より脂肪肉腫が発生したとの報告もあり, 今後も長期間の経過観察が必要であると思われる。

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