副鼻腔炎はいまもなお耳鼻咽喉科領域で重要な疾患のひとつであるが, アレルギー性鼻炎の合併の増加もあり副鼻腔炎の臨床像はかなり変化してきている。しかし, 副鼻腔炎の主な病態が細菌感染による炎症であることに変わりはない。最近, びまん性汎細気管支炎 (diffuse panbronchiolitis; DPB) に対しエリスロマイシン (EM) の少量長期投与の有効性が認められ, 耳鼻咽喉科領域でも慢性副鼻腔炎などの慢性感染症に対し同化学療法の有効性が追試, 検討され臨床応用されている。このような現況において急性, 慢性副鼻腔炎の適切な抗菌剤療法を今一度再検討してみる。