耳鼻咽喉科展望
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蝶形骨洞嚢胞3症例の治療経験
村岡 秀樹小島 雅浩合津 和央
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1995 年 38 巻 3 号 p. 322-328

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抄録

蝶形骨洞嚢胞の3症例を報告する。3症例とも蝶形骨洞嚢胞と診断される30年前に経上顎洞的な副鼻腔手術の既往を有する経手術例であり, 鼻内から手術を施行した。症例1は47歳女性で, 急性の視力低下にて症状発現し, 視力低下発現後3日目に手術を行い, 症状の改善をみている。術後反対側の視力・視野の改善があり, 嚢胞による視神経症状は両側に及んでいた症例である。症例2は53歳女性で, 手動弁まで視力の低下がみられ, 症状発現後2日目に手術をしたが, 症状は変わらず。1年前から, 緩徐に視力低下していたことが術後に判明し, 慢性の経過をとった症例である。症例3は, 6ヵ月来の頭痛が主訴で, 近医でMRIにて診断され, 手術により症状は消失している。臨床症状, CT所見, 発生機序を中心に若干の文献的考察をまじえながら, 報告した。

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