耳鼻咽喉科展望
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閉塞性睡眠時無呼吸症候群の術前・術後における無呼吸発作成分の推移
臼井 信郎原 逸雄川野 和弘金沢 博俊武田 広誠
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1995 年 38 巻 6 号 p. 735-744

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抄録

睡眠時無呼吸症候群 (SAS) の終夜睡眠検査データを分析してみると, 同一被験者においても閉塞型, 中枢型, 混合型の各無呼吸発作が混在して出現してくる。それ故に, SASの病型分類は一般に50%以上を含む型をその病型として分類している。しかし, 手術前後で病型を検討してみると, 閉塞型から混合型あるいは中枢型に変化する症例や, 混合型から中枢型や閉塞型に変化する症例もある。今回はOSAS症例のUPPP前後における各無呼吸発作成分の推移から, UPPP前後で病型が変るのはなぜか, またUPPPによってOSASは治るのか治らないのかといった点について検討した。その結果, UPPP前後で病型が変るのは, 術後閉塞型無呼吸発作成分のみが著しく減少するためであり, OSASの病態それ自身には変化はみられなかった。

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