1996 年 39 巻 1 号 p. 49-55
頭頸部進行癌に対して5-Fluorouracil (5-FU) を先行させてシスプラチン (CDDP) と併用するmodified CF療法にさらに5-FUのbiochemical modulatorであるメソトレキセート (MTX) とロイコボリン (LV) を組み合わせた4剤併用療法を考案し, 培養細胞による制癌剤感受性試験を行った。結果はMTXの先行処理で5-FUの制癌効果の増強を認め, LVは投与順に拘らず5-FUの制癌効果の増強を認めた。臨床応用ではMTX: 30mg/m2静注 (day 1の5-FU開始1時間前), LV: 20mg/m2静注 (day 1-day 5), 5-FU: 800mg/m2静注 (day 1-day 5) 120時間持続点滴し, CDDP: 60mg/m2 (day 4) 点滴静注した。副作用では口内炎が全例に見られ, 一部に骨髄抑制が見られたが, 19例に2コース施行した効果判定はCR率37%, 奏効率79%で, 従来のCF療法変法と比べCR率が有意に上回る結果を得た (37% vs 20%, P<0.05)。