1996 年 39 巻 Supplement1 号 p. 35-40
ロキシスロマイシン (RXM) は肝臓で代謝されて, その代謝物であるRU28111, RU39001, RU44981, RU45179が生ずることが知られている。in vitroにおいて, 大腸菌由来のlipopolysaccharide (1.0μg/ml) 刺激によるヒト末梢血単球からのIL-1β, IL-8, TNF-α 産生に対するこれらRXM代謝物の作用について検討した。IL-1β の産生はRU 28111, RU 39001, RU 44981, RU45179とも0.5μg/ml, 1.0μg/ml, 3.0μg/mlで有意に抑制された (P<0.05)。IL-8の産生は1.0μg/mlのRU 44981のみで有意に抑制された (P<0.05)。TNF-αの産生は影響されなかった。これらの結果は, ある場合にはRXM代謝物が炎症において免疫調整作用があることを示唆している。