耳鼻咽喉科展望
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慢性副鼻腔炎の病態とマクロライド療法の効果
小口 直彦石戸谷 淳一鳥山 稔
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1996 年 39 巻 Supplement1 号 p. 49-51

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抄録

慢性副鼻腔炎に対するマクロライド療法については, その有効性を示す多くの報告がある。しかし, 慢性副鼻腔炎すべてに有効性を示すわけではなくその効果は一様ではない。また, 慢性副鼻腔炎の病態も多様でありマクロライド療法の効果に影響を与えていると考えられる。そこで, 異なった下気道病変を合併する慢性副鼻腔炎についてマクロライド療法の効果を検討した。
下気道病変の病態が異なるとマクロライド療法に対する反応性にも差がみられ, SBS群は喘息群と比べ有効性が高かった。SBS群のなかではびまん性汎細気管支炎, 慢性気管支炎, 気管支拡張症の順に有効性がみられたがその差は明確ではなかった。また, 下気道病変を伴わない単独性の慢性副鼻腔炎はSBS群に類似した有効性がみられた。
喘息群とSBS群では慢性副鼻腔炎の病態も異なると考えられる。マクロライド療法の有効性の相違が, このような慢性副鼻腔炎の病態の違いを直接反映することが示唆された。

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