耳鼻咽喉科展望
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副鼻腔炎治療用YAMIKカテーテルとマクロライド
松根 彰志福田 勝則宮之原 郁代岩元 光明鶴丸 浩士大山 勝
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1996 年 39 巻 Supplement1 号 p. 76-82

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抄録

慢性副鼻腔炎の外来治療として, ロキシスロマイシンの投与に加え, 副鼻腔炎治療用YAMIKカテーテルを用いた治療を併用した。1ヶ月間の治療にて, 鼻茸を有しない30例において, 自覚症状で23例 (78%) の改善が認められ, 顔面X線検査で18例 (60%) に陰影の軽減, 9例 (30%) でほぼ消失していた。また, サッカリン時間は, 本治療前後で有意に短縮を認めた (P<0.01)。鼻茸を有する12例に対して, 本治療に先立って外来でのレーザー鼻茸切除術を施行した。X線検査上, 手術後と本治療1ヶ月後とで強い陰影改善傾向を認めた (P=0.04)。鼻茸の有無にかかわらず, 中等度以上の鼻アレルギー合併例では, 成績が不良となる傾向にあった。YAMIKカテーテルは慢性副鼻腔炎の治療に有効で, 従来のマクロライドによる治療期間を短縮できるものと考えられる。さらに鼻茸合併例に対するレーザー鼻茸切除術はその適応拡大に有効と考えられた。

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