耳鼻咽喉科展望
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慢性副鼻腔炎の治療とその効果
間島 雄一坂倉 康夫
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1996 年 39 巻 Supplement1 号 p. 85-88

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抄録

小児副鼻腔炎に対しては保存的療法が最も適応となる。副鼻腔洗浄や抗生物質とステロイド剤のエアロゾルによる投与が一般的に行われる。このような保存的療法により改善を認めない場合, 10歳以上の小児では手術療法の適応となる。鼻茸も手術的に除去されねばならない。
16歳以上の患者においては, 中等度や高度副鼻腔病変は手術的に治療される。上顎洞にのみ中等度の病変を認める場合には手術療法は3ヵ月間の保存的療法が有効でない場合のみ適応となる。このような例では上顎洞の繊毛上皮の形態が良好に保たれているため, 鼻内上顎洞手術が適応となる。
高齢者では保存的または手術的療法は患者の全身状態とQOLを考慮して決定されるべきである。

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