耳鼻咽喉科展望
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気道・食道に対するステント治療
平林 秀樹藤沢 勉生野 登
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1997 年 40 巻 6 号 p. 648-654

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抄録

気管・気管支の悪性腫瘍の非根治症例に対し, 気道確保, QOLの向上を目指したステント治療例が急増している。一方, 外傷や熱傷などによる非腫瘍性狭窄に対し, レーザーでの狭窄部切除やシリコンT-チューブの挿入にて気管内腔の確保を行い, 続いて軟骨や皮弁などでフレームを形成する方法が一般的であった。しかし, 生命に重大な影響は与えないが, 治癒までに長期間を要し患者に苦痛を与えている。
同様に, 食道狭窄に対するステントの開発も進み, 近年保険適用も拡大している。Plummer-Vinson症候群による狭窄の鉄剤無効例や遊離・有茎皮弁の吻合部狭窄など, 非腫瘍性の食道狭窄では拡大手術の選択が難しい症例も多く, 治療を遷延させてきた。
気道・食道狭窄に対し種々のステント治療を試み, その利点・欠点についてさまざまな経験をしたので解説した。

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