耳鼻咽喉科展望
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家兎における実験的副鼻腔炎 (その2)
慢性化に関する嫌気性菌の役割の検討
秋田 茂樹新井 信一郎中山 雅文加藤 洋治水田 啓介伊藤 八次宮田 英雄
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1999 年 42 巻 2 号 p. 152-158

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抄録

副鼻腔炎の慢性化における嫌気性菌の関与を検討するために, 成熟白色家兎の上顎洞に, 卵白アルブミンでアレルギー感作をした後, 好気性菌 (Stmphylococcus. aureus) と嫌気性菌 (Prevotella. bzaccae) を注入し, 2週間後, 4週間後の所見を観察し以下の結果を得た。
1. Stmphylococcus. azareuを注入した家兎, Prevolella. buccaeを注入した家兎ともに菌注入後2週間, 4週間で副鼻腔の炎症は増強した。
2. 菌注入後2週間では, Slmphylococcus. aureusを注入した家兎の粘膜の方が, Prevotella. buccaeを注入した家兎の粘膜よりも強い炎症所見を示した。菌注入後4週間では, 両者とも同じ程度の炎症所見であった。この成績は, 副鼻腔炎の慢性化の一因として嫌気性菌の関与が示唆された。

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